三月も１０日を迎えるというのに、神戸は雪がふった。 三月になってから降る雪は、俳句の季語なんかだと、なごり雪という。でも 今度の雪は、そんな可愛いもんじゃなく、どこもかしこも真っ白になる、神戸 にしたら大雪だった。 晴れた暖かい日ならば元町に行きたかったのに。これじゃ寒いし道はすべるしいけないなぁ、と外を眺めて思う。 元町には、ひな祭りの日に行った。土曜なので人出は多く、そこの古い大きなＫ書店に本を受け取りに行ったのだけど、そこで取り寄せを頼んだＦおかさんと又会った。 Ｆおかさんは、知らなかったけどＫ書店の店長さんだった。殆どベテランという感じの、プライドの高そうな３０代後半以降の女の人の店員の中でただ一人の男性で、まぁ店長と言われれば、そうやろなぁという感じ。 それはいいとして、そこで「本の雑誌」の話が出て、まして目黒考二のファンと知れば嬉しくなってしまい、本の雑誌のＨＰの掲示板にかきこんでしまった。 それが間違いの始まりだったのか、三日後にまた掲示板を見ると、私の書きこみに一人だけ返事している、からすと名乗る変なおっちゃんがいる。これがＦおかさんの追っかけか、と思うぐらい詳しい。何処の店で、いつも休憩しているとか、訊いてもいないのに書いてくる。一回、まだメールに慣れてない私は返事しないといけないような気がして又、掲示板に書いた。そうしたら、また、からすさんだけが、返事してきた。一体これじゃ個人のメールじゃない。私は知らない人にメールしたことないし、もしアドレスや、名前教えて、今度は私が何処で休憩してるだの家のまわりを見張られたらどうしよう、とか思った。第一、からすなんて名前が気持ち悪い。色黒の暗い感じがするではないか。 これは、Ｆおかさんに話して助けてもらおうと思いついた。顔ぐらい知ってるんならどんなおっさんか教えてくれるだろうし。でも今日は雪なんで行けない。おまけに寒の戻りで風邪をひいてしまった。無理はいけない。用心。用心。 私は用心ぶかい。Ｆおかさんは信用できそうだけど、からすは、どうもいまいちである。 まぁ続きは、元町に行ってからね。 （とりあえず、了） |
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