会場の元町・カフェＡＺＵＭＡは、本と映画と音楽とカメラを愛する人々が集うコダワリのカフェなのである。
開演を「今や遅し」と待つカフェＡＺＵＭＡの図……とゆーのは、ちょっとウソで、実は３年前の画像だ……
満場の観客を前に、やや緊張しながら始まった第一部、まずは森元暢之さんの紙芝居「現在と楽園の追放」。
これは、以前も同名のものを上演したことがあるのだが、今回、新たに絵をリニューアルして望んだ渾身の一作なのであった。
半分隠れてギター弾くのは、森元暢之紙芝居一座専属ギタリスト・たらすなさんである。
控え目なギター伴奏の中、エロスと叙情の交錯する、不思議な森元ワールドが展開されたのであった。
森元さんの「原罪と楽園の追放」、そして朗読「ゆきおんな」と続いた後、第１部の「シメ」として登場したのは、掟破りの紙芝居人・本日のゲストでもある、幻活映画監督・赤土綸こと、なにを隠そう幻堂さん。
演じるは、川崎ゆきお原作になる紙芝居「猟奇王明石激走篇」である。
猟奇マスクを装着した赤土氏、広い額に汗しての熱演！の図である。
ＢＧＭは、「仁義なき戦い 広島死闘篇」である。
ウケてました。はい。
「恋はお好みに」は、森元さんが「ゆきおんな」に「インスパイアされた」という、“恐怖のお好み焼き女”の、哀しい物語だ。
ギターのたらすなさん、前に出て、今回は表れる絵を見ながらの、即興アドリブでの伴奏。
「ピンピン……ポン……」と、森元さんの喋りに、ときどきかぶさってくる控え目でいて、しかし充分に存在感のあるギターが、実に「ハマッて」ました。
ラストの演目は、これは正真証明新作、「こころの森」、今回が「初お目見え」なのだった。
たらすなさん、ギターをウクレレに持ち替えての、これまた即興伴奏である。
……と、盛況のうちにすべてのプログラムを終え、次回またのお目見えを約束して、元町の夜はふけていったのであった。
「森元暢之紙芝居一座」、次回公演は５月！の予定なのであった。