ウロウロ浮揚彷徨ホーボー　その１６

新開地で買った本

ある日、新開地は（エロ）古本の殿堂・上崎書店で本を買ったのだった。
とても不思議な本なのだった。

	「愛撫のテクニック」というこの本なのだが…… 　昔よくあった、「性愛技巧書」という、「実用書」装ったエロ本であるのは、確かなのだが…… 　しかし、このカバーのどこにも、コードはおろか「発行所」も「定価」も記されてはないのだった。
	しかも…… 　そのカバーをめくると、「新版・愛戯」という、ぜんぜん違う本が現れるのであった。
	「奥付」らしきものが、本文の最終ページに貼り付けてあったのだが…… 　「池のや研究所」…… 　一体に、なにを「研究」してたところなんだろうか？
	中身は、こーゆー風で、概して「まとも」（？）なんだけどね…… 　倒産するかなんかした出版社の在庫を、「池のや研究所」が買いとって、まったく別の本として、再度出版したんではないか？ 　とは、当日、いっしょに「新開地探検」した、南陀楼綾繁さんの説。

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