| 紅い灯からすの 2012年 |
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新年がことさらでなく去年今年 いつもの立ち食いソバをすすっている それは何年前あれから何年それからあれは 「あれから」ばかりを数えて夜風強し 紅い花ならサボテンのあの日あの時 あの部屋の一夜かぎりの幻の恋
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あれれ一月ふらふら二月あっというまに 夏が来てそうこういうまにもう師走 路地裏にふと陽だまりのあたたかさ 俺もうハエでいいやと思う一瞬 寝っ転がった河川敷夜間飛行の灯を追って 昔のことをふと思い出したり泣いてもみたり あの人の風のたよりを聞いた日に みかん八個で300円最高気温８℃
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梅田発19:05直通特急姫路行き まだ間に合うと言っておくれよお願いだ 西宮今津久寿川甲子園 鳴尾武庫川尼崎センタープール前
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大阪で生まれた女が今日大阪を後にする 記念の写真を撮りました 路地裏にふといかなごを炊く匂い あれは去年の今頃だっけか
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海向いてキリンは寒そに首伸ばし 今か今かと春を待つ
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爛漫と花は今年も咲いたけどあの日あのとき あの瞬間の花はあのとき一度きり 昼酒に酔うてよたよた路地裏の 角を曲がると絢爛の花に驚きたちつくす
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「お墓でお酒」と茶目っ気にあんたが投げた 缶ビール取りそこなってカラコロカン カンカン鳴る鳴る踏切をケンケンしながら 渡ったら遮断機めがけてベリーロール 犬眠る山に楓を植えまして 猫には桜ねこにはさくら
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戦争や愛やら死やら別れやら コンクリートの染みがまたひとつ八十年 あの人をふと思い出し振り返っても 六月なかばの曇り空ばかり
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待たせたね俺はすっかり大丈夫 言い切るあんたの目が泳いで梅雨空 あんたが笑うとわたしはいつも泣きたくなって こんな雨の日立ちつくして紫陽花
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コンチキチのお祭りは見たことないけど コンチクショウならそらもういっぱい 豚バラのブロックパックで300円 今日は茹で豚ニャンコが踊る
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ジェイソンが川からいきなり現れそうな １３日の金曜日曇り後雨 父ちゃんの酒をツケしてかえりみち ぬらり魚が泳いで過ぎた
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時間やら人の営み感傷すらも 夏草が力ずくにて飲み込んでゆく 待ってくれ電車を追うて汗みどろ 青空いっぱい必死のパッチ
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ふと風が泣いてるみたいで振り向けば 夕陽も真っ赤に号泣してた 虎の威の立つ瀬も梨のアラバマ州 夏の名残りの蝉の抜け殻
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嘆息の九月国道青い空 忌々しきはアルファロメオ 阪急から阪神電車に乗り換えて 今日も帰ろうおうちに帰ろう あの九月この九月やらあれからも あれこれあってまたもや九月 高架沿いあっちが西行きこっちが東 いっつもいつもすれ違い仲違い
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今はもう秋誰もいないと思っていたら どこかでどこかで声のする海 しのごのと言うちゃァおるが結局は つまるところはぬる目の燗
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あをぞらにクレーンの二本突き刺さり をれのこころにゃ哀愁一本 振り仰ぐ空に霞の今朝の秋 感傷ひとつ持て余しつつ駅に立つ
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ある朝駅で立ち食いそば食い そのあとふらりと河へ出てみた アオザイのあの子のいた春苺の電車 ふと思い出してはすっぱい秋の数十年後 雨は降るふるお外にゃ行けぬ 行けぬお外にひたひたひたと冬の小僧が忍び寄る 日が暮れる日が暮れたらば寒くなる 寒くて暗くてとてもさびしい
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向こうからやってくる何かを待って 待ち続け今もこりずに待ち続けている 凄まじい漫画をみつけたあまりの凄さに 電車の中ではとても読めなかったよ 新しいクッションをイケアで買った イケアはなかなか楽しい店です
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