| 紅い灯からすの 2015年 |
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西東水と油の二人でも つかずはなれず並んで歩く あのころの夢の残滓がそこだけ更地で あの日のあの路地花一輪
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星が見えたと思ったんだよ本当だよ どぎついネオンの場末の路地に 走り去る後ろ姿はもう小さうて 時雨れて路地裏立ちすくみ
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知ったこっちゃないね関係ないねと 川は流れる時代も流れる
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幾十年あれからなんども花は見たけど 思い出すのはあの日の花だけ
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ドタマに浮かぶは昔のことばかりにて ああとしとったなと線路端とぼとぼ
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嬌声の中にかすかなすすり泣き 風が過去からひゅるりと過ぎた
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逃げるよに人目忍んで夕まぐれ かたかた下駄の音にも怯えて
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山の向こうになにかがあると実は 今も信じていて空を刺す尖塔
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水玉のワンピース風になぶらせ ふと立ち止まっては波に叫んだ
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元気でなぁ〜手を振りながら泣きながら あれからどんだけナニカを捨てた？
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ナニカアルカモシレナイと耳すませ しゃがみ込んでは頬切る芒葉 「吾亦紅」かがんだままでふりかえり 紅いぼんぼり泣いて手折った
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「なんやねん」不機嫌そうにメンチ切り 昼寝の邪魔して怒られた
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いざ行かん朝も早よからてくてくと かもめかもめわらっておくれ
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