| 紅い灯からすの 2016年 |
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いざ行かん朝も早よからてくてくと かもめかもめわらっておくれ
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星霜を重ねて今は風もなく 明鏡止水…となるわけないわい石投げる
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突然の既視感ふと橋の上 思えばあれから幾十年
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豆腐屋の喇叭響いて夕暮れて あの子は一人でまだ泣いている
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ふうわりと白いワンピの風に揺れ 夏へと向かう路地駆け抜けて
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海や今熱帯高気圧の張り出して 夏の子達のハイテンション
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目の前をまたあの夏のおもかげの よぎって去って蝉の小便
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汗をかいてるのは暑さのせいばかりじゃない 蝉時雨どころか蝉豪雨のなか立ち竦む
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どこかから声の聞こえて昼下がり 振り返ってもなお蝉の声だけ
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あの日のあんたの声また聞いた 空に飛行機悔いも置き去り
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天満橋天神橋から難波橋 牡蠣食べましょか淀屋橋
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またおいでこの橋渡ってまたおいで うふふと振り向くその手にナイフ
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