| 紅い灯からすの 2017年 |
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雲を踏み風を渡ってユズリハの 舟に颯爽お正月さん
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勢いで買うた大根もてあまし 改札口で途方に暮れた
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さては電車を乗り間違えたと気づいたが 途方に暮れて冬の曇天
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トンネルを抜けるとそこに春がいて 陽射しの中に笑顔が弾けた
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ふりむくとお面をかぶった子がニタリ 汽車が走ってきそうな路地で
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あ、それからね…振り向いたら途端に電車で あのときあなたはなにを言ったの
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ひと電車遅れてやって来た梅雨に 毒づきながら待ち合わせの駅
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日傘越し振り向く君に濃い影の 射して笑顔も陰って真夏
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大きな木の下小さなおうちの白い窓 誰かがガラスをこつんと叩いた
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おなかはすいたが日はまだ高い もすこし遊んでおうちに帰ろう
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紅い駅あかい森あなたの目もまた 赤いのに次の電車はまだ来ない
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空が青いねと言って笑って振り返る 涙の頬には風が冷たい
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もういくつ寝るとお正月だがしかし あれはいつの正月だったか思い出せない
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