紅い灯からすの 2021年 |
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ことこととレールが鳴ればもうそこに あれは明日のあたしのしあわせ
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後悔も憂慮も後ろに捨て置いて 下り電車はゴットンゴー
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「海だ」と叫んで振り向く君の 後れ毛光って春はもうそこ
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ふりむけば夏もすぐそこ失いし 時を思ひつ真昼月見ゆ
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呼び声にふと振り向けば梅雨空に 風が渡ってとんびがひゅるり
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海に居るのが波ばかりなら紅灯の 街に居るのはただ過去ばかり
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影ばかり濃い街角の昼下がり 空にはぷかぷか雲ばかり
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あの雲もあの日の雲も行く先に 濃い影ばかりを落として九月
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黄昏はまた来る朝の予告編 あしたの風はどこへ吹くやら
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ビルの街にガオーッ!と吠えて 鉄人鉄人コロナもビュン!
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連綿ときのう今日あす百年前 水は流れてとんびもくるり
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夕焼けを背中にひとりかへり道 行く手の踏切カンカンカン
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